ニュース NEWS
ニュース一覧

ジャーナル

2020/09/08

【KAORIUM JOURNAL #08】消費社会の新しい時代へ「多くの企業が答えを持たない中、解への可能性を導く」KAORIUMによる圧倒的なリアル体験と新しい常識とは?

「香りと言葉」が導く超感覚を追求する KAORIUM JOURNAL。セントマティック代表 栗栖 俊治が、香り × 言葉がもたらす未来について様々なスペシャリストと対談しその様子をお届けします。

「モノ消費」から「コト消費」へ。大量生産・大量消費の20世紀を経て、人々は「モノを買う」ことより、日々を豊かにし、共感を生む「体験」を重視するようになりました。ECサイトの台頭、新型コロナウイルスの蔓延など、一見、リアルの店舗の意義が失われつつあるように思えますが、今こそ必要なのは、リアルな場だから提供できる「圧倒的な体験価値」。 KAORIUM が提供する「自分の好きを見つけられる」体験は、多くの企業が答えを持っていない課題への解決となるのか?さらには、人々の日常にどのような豊かさを提供できるのか?未来の新しい常識とは?元エイベックス・デジタル株式会社の役員でもあり、シェアリングサービスの事業も手掛けるマーケティングの専門家・村本 理恵子を迎え対談。KAORIUMに隠された魅力、そして消費・ユーザーの変化はどこに向かっていくのか。モノ消費やコト消費の先にある、KAORIUMで体験できる本当の楽しさ・豊かさ、そして香りと言葉の事業について、市場を確実に見極める村本の視点から、エンターテイメント・マーケテイングなど様々な観点で掘り下げていきます。

「KAORIUM(カオリウム)」とは

五感の中でも最も未知な領域であり、新たな発見や市場創出が期待されている「嗅覚」。そのポテンシャルを追求し、嗅覚を通じた心の豊かさを提供するために「香り」と「言葉」を紐づけ相互に変換するAI型システム「 KAORIUM (カオリウム)」が開発されました。香りから言葉を連想し、言葉から香りを想像することは、脳の活性化に繋がるだけでなく、私たちのまだ見ぬ感性に気づかせてくれます。
そんなKAORIUM体験は、感性教育、飲食体験、購買体験など様々な分野に新しいビジネスチャンスを生み、そして人々の感受性に働きかけ、日々をより豊かなものにする可能性があります。

「市場はあるものではなく、作るもの」
どこにでも紐づく香りは、新たな市場「香りプラットフォーム」を生み出す

栗栖 僕たちがKAORIUMを事業化しようというフェーズの時から村本さんにはお世話になっていて、その時にいただいたお言葉が非常に印象的でした。「市場はあるものじゃなくて作るもの。作ればいいんです」と。

村本 私はマーケティングをベースにした事業開発を何十年もやってきました。一番大きいビジネスでいうと、動画の配信サービスの立ち上げ。ここ2年は、シェアリングのサービスを起業してやっています。その中で実感しているのが、「なんで今まで誰も作らなかったんだろう?」って思うものこそ、圧倒的な市場を作れること。

「香りと言葉」と聞いて最初「なんだろう?」と思ったのですが、KAORIUMを体験したら、非常に面白かった。筋肉トレーニングをする時に、何も考えずにやるより、どの筋肉に効いているかを意識しながらやると全然違う結果になります。同じように香りを意識して言葉で表現しようとする体験は、今までになかった新しい商品やサービスの体験をもたらすと思いました。これは、まだ世の中にないもので、ものすごく好奇心をそそられたんです。

栗栖 大抵の新規事業開発では従来のMBA的アプローチで、市場調査をしてニーズと類似事業を調べてサービスやプロダクトを作りますが、僕たちはいろんな香りの体験をしながら、面白いと思ったものをただ追求しながら進めてきました。そして、気が付いたら誰もやってないことだったんですよね(笑)。前例も類似事例もなく、これって本当に事業化できるのか?と思い悩んだりもしましたが、村本さんには「だからこそポテンシャルがあり、ブルーオーシャンだ」と励ましていただきました。

村本 新しい市場創造ができる事業だと思います。どんなものにも香りはあります。だから市場が膨大です。どんな香りでも言葉に結びつけることで、意味づけができると「香りのプラットフォーム」になる。香りという切り口の市場はどこにでもあり、ものすごく可能性を秘めていると思います。

栗栖 ワクワクします。

村本 あと言葉に注目する着眼点がすごいなと思いました。香りって世の中に山のようにある。それらの言語化を学者が目指すというのは従来からあると思うんですが、これを事業としてトライしているのがすごい。また言葉って面白くて、例えば、日本語には、辛さには「塩辛い」「ピリ辛」などバリエーションがあるけれど、甘さを表す表現は少ないですよね。香りを表す日本語は少ないけれど、他の国では香りの言葉のバリエーションが多かったりもする。

栗栖 香りを表す言葉が少なかったり、言葉にする経験も無いため、ワインや日本酒など風味を味わうようなシーンでも、なんとなく「好きか嫌いか」という単純な言葉でしか表現できないのが現状。「この味のどういうところが好きなんだろう?」と細分化してあげることによって、試したことのない日本酒・ワインでも美味しいと感じれる。香りの切り口から、飲食をはじめ各領域の市場拡大にも貢献できると思う。

村本 KAORIUMは新しい消費の常識を作れる。10年後に、「昔はああやっていい加減に香り選んでた。なんとなくパッケージ見て香りを選んでたよね」というように、過去の古い常識になりそうです。

栗栖 パッケージとか、ボトルのデザインとかラベリングとかで選ぶって、実は消費者にとって難しいことですよね。そういったところの課題を解決していきたいなと思っています。

「モノ消費の時代」が終わり、購買のハードルが上がる時代へ!ECサイトでの購入が主流だからこそ必要な「圧倒的なリアル体験」

村本 「モノ消費からコト消費に変わった」とよく言われています。20世紀の大量消費・大量生産だった時代は、経済が常に成長していて、誰もが「今年の自分より、来年の自分の方が、経済的に豊かになる」という確信を持っていた。ところが、21世紀になって、消費が成熟してしまい、モノをたくさん買うことが、必ずしも豊かではないという考えに変わってきた。

栗栖 そうですね。とりあえず買って、いらなくなったら捨てるという行為も、SDGsの価値観の広がりの中で厳しく見直されています。今までの購買の概念が変わったことにより、企業にとってはモノを売ることのハードルが上がっている。

村本 ECサイトでの購買が主流になってきているのも要因の一つ。リアルな店舗だと勢いでモノを買ったりするのですが、ECにはそれがない。例えば、ライブ会場でグッズを買うのと、ECサイトで買うのだと、盛り上がり感も購入量も全く違う。冷静な目で見ちゃうんですよね。ECはこれからさらに伸びていく市場です。日本ではECサイトが使われて30年くらい経ってますが、残念ながら「商品を並べて置く」から進化していない。消費者の背中を押したり、各個人にぴったりなものを見つけるという機能がまだないんです。

栗栖 確かにそうですね。僕も最近、自宅でコーヒー豆を切らしてしまって、Amazonで検索したんですが、たくさんの種類のコーヒー豆が出てくるけど、どれを買ってよいか分からなく、結局買うのをやめてしまいました。

村本 自分に合うのはどれだろう?本当に美味しいのは何だろう?と迷いますよね。お気に入りの銘柄の風味に近いものを探したいという明確な意志があっても、ECでは実際に嗅ぐことができない。ズラーっと商品はたくさんあるのに、消費者の心に響くスイッチを押せてない。消費者自身も、そもそも自分のスイッチがわからない。選ぶ術がないんですよ。情報が非常に多いので、買う側の情報処理もある一定を超えると放棄してしまう。

栗栖 選ぶ軸がなくて、分からないから買えないんですよね。

村本 そうすると、一番売れてるとか、話題とか、口コミに誘導されてしまう。何かを選んだ時に、人は選んだことが正しかったという証明を欲しがるんですよね。しっくりこないものほど、購入した商品の良い評価をたくさん見ようとする。悪い評価はあまり見たくない。つまり、自分がやった選択は、間違ってなかったってことを、自分の中で言い聞かせようとするんです。

栗栖 心理学でいう「認知的不協和」ですね。

村本 それがいいんだって自分に言い聞かせていると、本当に何が好きなのか、分からないんですよね。このままではまずいですよね。心に響くスイッチを提供側も消費者側も知っていかないといけない。「パウダリー」「オリエンタル」とか専門用語が並べられた商品説明を見ても、消費者には何も伝わってない。

栗栖 そうですね。

村本 消費者はずっと満足できてないんです。「本当の買い物の楽しさ」を求めているはずです。先ほど、ECが拡大しているという話をしましたが、リアル店舗だからこそのECには提供できない何かが必要です。コロナ禍という状況もあり、リアル店舗の最大の良さである「接客」にもなかなか時間をかけられないという課題も出てきました。

栗栖 そうですね。同時にコロナの状況もあって、消費者においては「自分をどう豊かにできるか」という新しいトレンドへのシフトが加速している。

村本 自分をどう豊かにできるか。自分の体験をさらにどう深めていけるか。それはまさに消費の社会で、「コト消費」と言われてますけど、何かを体験するとか、共感性の高いものが必要で、ただそれに対して、まだ多くの企業が答えを持っていないんですよ。だから、コトといっても、イベントをやるとかくらいで。

栗栖 リアルな場だからこその「圧倒的な体験」をしておく必要がありますよね。僕たちのやろうとしてることは、お客さまが「自分が好きなものは何か」にたどり着ける体験を提供すること。「この言葉でこう選んで、私はこれを買った」って自信が持てる。そういった好みの軸を持つことがECサイトでの購買にも役立つ。消費者自身の価値観に気づかせてあげつつ、商品と紐づかせていくことで、データも取得できることがKAORIUMのさらなる強みです。

村本 個人が消費で壁に突き当たってしまうところで、パーソナルな感性に気づかせる体験は多くの企業が求めているけれども答えがまだない。その一つの可能性になると思います。KAORIUM体験は消費社会を変えうる。これからの購買に多くの可能性を示している。新しいイノベーションを生むんじゃないかとすごく期待しています。

好みの軸を言葉で表現し、生産者・消費者双方の課題を解決する――KAORIUMが新たな常識となる未来を目指して

栗栖 先ほど「接客」というお話がありましたが、お客さまの好みを十分に引き出すための対話が成立しないと、お客さま自身が本当に満足しているかどうか、分からないですよね。もしかしたら、もっとその人自身に合うものがあったかもしれないのに。消費者も新しいものに挑戦したい!と思っても、店員さんが新人だったりすると満足いくまで追求できなかったり。店員さんの知識に非常に依存してしまうというのもありますよね。自分で探そうとしても選ぶのが面倒になってしまって、「いつものでいいや」と考えることを放棄してしまうこともあります。結局多ければ多いほど迷ってしまう。

村本 モノが売れない原因は、そういったところにもあるように思いますね。「いつもの」を選ぶのももちろん良いのですが、この消費の体験に、みんな満足できていない。

栗栖 同じものをずっと使い続けることによって愛着は高まるんですけど、そこに対する感度が鈍ってきてる。「なぜこれが美味しいって思うんだろう」という感覚を忘れてしまう。

村本 好きだと選んでいるつもりで、本当はよくわかっていないことってたくさんあるんですよね。なんとなく日本酒を「辛口がいい」って言っていても、その辛口のどういうところが好きなのか分からない。人によって辛口の感じ方も違いますから、説明もうまくできない。お店側もお客さまの好みを把握しようと「どういった辛口ですか?」って聞いても、「かなり辛いもので」とだけ言われたら、お店側が思うもっとも辛口のものを出すほかない。

栗栖 そうですね。

村本 非常にもったいないですよね。とりあえず飲んで満足するっていうのは、生産者の立場から見ても、かなりの機会損失。お客さまも、どちらかというと有名ブランドを飲みたがる。新しい冒険がなくて、そこが地域の酒蔵さんにとっても課題です。

栗栖 おっしゃる通りですね。日本酒の銘柄って、日本全国で1万種類以上あると言われていますが、じゃあ、一消費者としてみなさん幾つの銘柄を言えるんだろうと考えてみても、せいぜい10個くらいで全体の0.1%未満。それを、1%さらに2%って増やしていくには、「辛口、甘口、純米大吟醸が好き」というざっくりとした言葉だけでは難しい。日本酒を定義する言葉はそれだけではないので、それぞれの好みでピンとくる細分化された言葉に巡り会い、はっきりとした好みの軸を持つと、全く新しい出会いがあり、普段選ばない銘柄でも、自分の好きな銘柄と出会えると思います。

村本 それはお客さまにとっても、地方の酒蔵さんにとっても、すごくいいものですよね。自分の感性がわかると、お酒だけでなく、例えば香水や柔軟剤などに関しても、より楽しんで選べると思うんです。「このパッケージがカッコ良いから」などを理由になんとなく香りを選んでいたのがこれまでの常識だとすると、「KAORIUMでこの香りが好きって気づいたから」と新たな基準が出てくるのがこれからの常識になりうるし、それこそが新しい価値だと思います。

栗栖 フレグランスの業界で香り言葉の辞書はあったけれど、「パウダリー」とか「オリエンタル」という単語は、あくまで香り製品の開発者同士がコミュニケーションするためのワードで、一般消費者には理解し難い。ワインも同じで、ソムリエの方がよく使う言葉はあるけど、お客さまはピンとこないことが多い。

村本 まさにマーケテイングの出番ですね。マーケティングは、作り出す側の人たちと消費者の間をうまく翻訳してあげること。言語が違うからこそ、そこにマーケティングという機能があるんです。プロから出た言葉を、こちら側に伝える媒介装置のような役割だと思うんですよね。

栗栖 KAORIUMは、そのギャップを埋めることを目標にしてます。「プロの言葉」、「インターネットや文献上データ」、「一般消費者からのフィードバック」から集めた言葉を、 AI で融合させています。そのデータに基づき、ニュートラルなポジションとして言葉でアウトプットしてます。これが10年後に、「昔はああやって適当に香りを選んでたよね」「パッケージだけで選んでたなんてありえない!」って、もはや信じられない過去のように語られていくような、欠かせないものを目指したいです。

エンターテイメント性としてのKAORIUMの価値
その体験の驚きと楽しさのその先

村本 KAORIUM体験はそれ自体非常に楽しいですが、「楽しかったね」で終わらず、「なるほど、自分の好きな香りはこういうものだったのか」と自分そのものへの変化や答えをもらえるような体験ですよね。

栗栖 はい、お客さま自身の感性を高めたり、お客さまの日常にフィードバックされる体験が可能となります。これができるからこそ、セントマティックでは感性教育みたいな、子供向けの教育領域へも活動を進めることができています。

村本 KAORIUMって、今の自分を知れるってところが大きい。「自分を見つけよう」っていう試みは、マインドフルネスだったりヘルスケアの方向性が多いですが、KAORIUMもその領域もカバーしますね。

栗栖 ワイン・日本酒・感性教育だけでなく、自分探しの領域にも繋げられる。とてもワクワクします。

村本 そう、まさにワクワクするんです。好きな香りや飲みたい味って、その日の気分で変わってくるじゃないですか。一度行ったお店に、また一ヶ月後に行ったら選ぶものが変わったりする。だからこそ、KAORIUMを使うことで、その瞬間の自分を知ることができる。それはある種のエンターテインメントですよね。ただ選ぶだけでなく、感動したり、驚くこと自体がKAORIUMの良さ。だから、レストランでも、KAORIUMを使うことで、いつもと違う体験ができる。お店での楽しい記憶につながりますよね。

栗栖 さらにwithコロナでは、よほど強いモチベーションがないと、お客さまはリアルな店舗に足を運ばない。似たようなお店がたくさんある中で、わざわざその店を選んでもらい、リピートしていただく、それが店舗にとっての課題。だからこそ、一味違う体験や、体験を日常に持ち帰って使えるとか、少しでも差別化できる店舗が、これから生き残っていく。KAORIUMは、その差別化に貢献できるようなところを目指したい。

村本 とても可能性があると思います。レストランの付加価値は、盛り付けを変える、お皿を変える、インテリアを変える、などせいぜいそのくらい。小売店もそうですね。この現状に対してKAORIUMがあると、店舗に来た時に、エンターテインメントを提供できる店になります。

栗栖 アメリカの事例なのですが、ECの拡大に伴い様々なリアル店舗ビジネスが壊滅的な状況になっていた2015年頃から、リアル店舗は生き残りを賭けて、様々な取り組みをやってたんです。2018年頃からリアルならではの体験を提供できる店舗が成功事例を作れるようになってきています。withコロナという状況下で、どこにでもあるような店舗は間違いなく淘汰される。その中で、他とは違う体験ができる要素として、KAORIUMをぜひ使っていただきたいなと思ってます。

村本 エンタメ性が高い分、感度の高い人たちの関心も受けやすい。その体験自体の面白さと、「誰かに伝えたくなる」という共感性で、宣伝費をかけなくても、自然と発信されていくかと思います。それは、KAORIUMにとっても、店舗にとってもプラスですね。しかしその分、最初は驚くんだけど、2回目は「こういうもんか」って思って、あまり驚きがなくなるリスクもある。KAORIUMの場合は、何度でも新鮮さを楽しめる要素はあるけれども、飽きない体験ができる点を強化できればとは思います。

栗栖 おっしゃる通りです。面白さがある分、一瞬のエンタメ性で終わってしまってはいけない。継続的価値を提供していくことこそが、ユーザーへ新鮮さを与え続けることはもちろん、店舗さんへの提供価値になると思います。まずは、マーケテイングの観点や利便性をしっかりさせて、その先の継続性も強化していきたいですね。

消費生活・日常生活が全く変わる
「これが好き」という選択に自信と愛着を持てる豊かさ

栗栖 KAORIUMをどう社会実装していくか。村本さんにアドバイス頂いたのは「ちゃんとインフルエンスしてくれるような、パートナーやインフルエンサーに体験してもらうことが大事」と。

村本 これってなんで今まで誰もやらなかったんだろう。というものほど、市場を作るものだと思います。これに関心を持つ人って、新しいもの好き、感度の高い人。今は影響力がある人がちゃんと発信できる時代でもある。そういう人たちは「KAORIUMって面白いね」って思うはずなんです。なぜなら、常に新しいこと、何か共感できることを求めて、自ら発信しているから。それを見た人たちが、また体験したいと思う流れに、非常にマッチする。

栗栖 先ほどの話でもありましたが、新しいだけでは継続しない。「この体験を楽しんだあと、その先どうなっていくのか?」。

村本 体験する前と後では、香りに対する意識が変わると思う。そこが非常に大きなポイントじゃないかなって思いますね。人を変えることができる。

栗栖 そうなんです。KAORIUMは体験によって自分自身に向き合える。自分を知り、感性が高まり、自分が変化することにも繋がることで、日常の豊かさに繋がる。香りや商品に対しての感度が高くなり、それを知ることにどんどんのめり込んでいく。その「ハマる楽しさ」を提供できるということから、チームではKAORIUMはオタク製造機なのでは、という話もありました。体験者に及ぼしていく変化があることで、継続的に価値を提供できると思っています。

村本 そうなると消費生活・日常生活が全く変わりますよね。音楽って消費者の嗜好性が高くて、気分によってジャンルを変えたり楽しんでいる。音楽配信はしっかりそのニーズに応えている。香りでも自分の好みがわかるから、その中で、今日はどれにしようかなっていう、選ぶ楽しさと遊びを入れられる。その結果、音楽ビジネスと同じような領域に持っていける。

栗栖 チームでディスカッションしていた時に、「センス良く生きる」って言い方をよく使っているのですが、これをもっと噛み砕くと「選ぶのが上手、取り入れるのが上手、使いこなすのも上手」って言葉になると思っています。

村本 今のセンスの良い消費者ってこちら側が意図したような使い方じゃなくて、製品を使いこなしたりするじゃないですか。今ならマスクを自分なりにカスタマイズしたり。KAORIUMは、どんな人にでもそんな風に遊びを楽しめるきっかけを与えられる体験ですよね。消費者は少しでも日常と違う体験を求めているので。

栗栖 お酒を選ぶこと一つとっても、いつもと違った選び方や銘柄にするだけで全く変わりますよね。今までと同じお金で、少し意識を変えるだけで体験価値がグッと高まる。

村本 今後の日本の経済って結構厳しい。そういう中で、新しい豊かさ、というものがアドオンされる価値ってすごく大きいんじゃないかなと思います。やはり香りって何にでもついている。KAORIUMの本当の強さってそこだと思っていて、市場が幅広いんですよね。先ほども話しましたが、ある種のプラットフォームなんだろうなって。フレグランスに限らず、日本酒もそうだし、どんな商材でも可能になり、センス良く生きる場を多く提供できる。

栗栖 なるほど。様々な産業のパーソナライズ化というような再現性もあるので、各領域の市場拡大へ寄与できるんですね。

村本 この事業は、リピーターを増やしたいなど困っている企業の課題解決ができる可能性を多く孕んでいます。新しいソリューションの道を示せる。企業や生産者からすると消費者に、まずは知ってもらい、そして好きになってもらうことが課題。消費者は本当にそれが好きだと思えるかが課題。そういった双方の課題を解決し、消費者の本当のニーズと商品を紐づかせることでデータとしても蓄積できるということが、KAORIUMのすごいところ。非常に市場の可能性が高いと思います。

栗栖 当初の構想着手段階では、ここまで壮大なビジョンの実現を目指していたのではなかったのですよね。プロジェクトを進めていく中で、次々とKAORIUMの壮大なポテンシャルを確認しており、チーム全体がワクワクしながら動いています。

プロフィール

村本 理恵子

株式会社ピーステックラボ 代表取締役社長

ネットベンチャー、ネット新規事業責任者として多くのマネージメント経験を経て、エイベックス・デジタル専務取締役を歴任。
エイベックスグループで日本のNo.1動画配信事業dTVをけん引。
データ分析とアルゴリズム、デジタルマーケティングの専門家。

栗栖 俊治

SCENTMATIC株式会社 代表取締役

慶応義塾大学大学院を卒業後、NTTドコモにて10年間、携帯電話やスマートフォン向け新サービス・新機能の企画開発に従事し、iコンシェル、しゃべってコンシェル、音声認識機能、GPS機能等のプロジェクトリーダーを担当。
「最高のUXづくり」を徹底して目指した「しゃべってコンシェル」ではグッドデザイン賞ベスト100・未来づくりデザイン賞を受賞。
2015年より3年間、NTTドコモ・ベンチャーズ シリコンバレー支店へ出向。数々のシリコンバレースタートアップを発掘し、NTTドコモ本社事業部門とスタートアップとの協業実現や出資に成功。
2018年、日本へ帰国。2019年11月 SCENTMATIC株式会社を立ち上げ、現在に至る。

その他のニュース

OTHERS